中身が無くなったハブネークちゃんと骨を木の枝と塩と一緒に別の壷に入れてしっかり蓋をすると
外まで転がして運ぶ。お料理をしたいのって言ったら近くにいたお兄さんがかまどを作るのを手伝ってくれた。
嬉しかったけど壷の中身を覗こうとするのは困っちゃった。
その人に近くの林の中で見せてあげるって言って壷に上にかがみこんでるときに、
かまどを作るときに使ったおっきな石で頭を叩いたら変な声を出して倒れちゃった。
よく読む漫画のようにはいかなくておっきなたんこぶじゃなく、
ゼリーみたいなピンク色の変なものと血を頭からでろでろと出してたけど、
漫画だとしばらくしたら起きるから大丈夫かなって思って放っておいた。
お兄さんが作ってくれたかまどの上に頑張って壷をのせて火をつける。
周りからは見えづらい場所だからちょっと放っておいて「木工室」に戻る。
おきっぱなしだったもう一つの壷をパパの実験室にあるおっきな冷蔵庫の奥のほうに隠してしまって、
血が固まって茶色っぽくなっちゃったお洋服は洗濯機の中に放り込んでおいた。
パパはまだ帰ってきてなかったからばれてない。後で驚かすんだ。
かまどの所に戻って蓋を開けると丁度良くぐつぐつ言ってたから
骨と枝と肉から出てきた変な色をした汁とかを捨ててからまた壷に蓋をしてごろごろ転がす。
今度向かうのは「食堂」。
すりこぎを借りてハブネークちゃんの体だったものをぐちゃぐちゃと潰す。
血はもう出なかったけど、かわりに肉汁が押しつぶすたびに染み出した。
「食堂」でパンの元を貰って肉と一緒にしっかりこねる。
これをちっちゃくちぎって丸めればてりあかの出来上がり!
パパの実験室でてりあかの素を丸めてたらパパが帰ってきた。
パパに教えてあげたらすっごくびっくりしてたけどいいこいいこしてくれたの。
でもパパが、今はそのお薬使われてないんだよって言ったのには一番びっくりしちゃった。
泣きそうになったけどよく頑張ったねって抱っこしてくれたから我慢した。
ハブネークちゃんの頭と尻尾は標本にして、内蔵とかはホルマリン漬けにしてもらった。
私の部屋に飾っておくの。良いでしょ。目玉は煮込んだ後周りの白いぷるぷるした部分を削いで、
中から出てきた硬い真珠みたいなものに穴を開けて上を縛るゴムにつけたの。これでいつも一緒にいられるよ。
お兄さんの頭を叩いちゃったことを話すとにやっと笑ってパパが何とかしてあげるって言ってた。
パパはやっぱり頼もしい。
パパはお兄さんの様子を見てくるって言って出て行っちゃった。
「上司」っていう人のところに連れて行くって言ってた。
二人なら寂しくないだろうって。何のことだろう?
今夜はこんなにすごい自慢のパパと一緒に寝るの。
私は将来パパみたいになるって言ったら嬉しそうに絶対なれるよ、今度実験を見せてあげるって言ってくれた。
私は楽しみにしながら眠りについた。またお手伝いしてあげよう!
この子はとても良い研究員になるな、私の教育の賜物だとつぶやいたのを知らずに
すやすや眠る寝顔はとても幸せそうだった。