今日は鈴ちゃんと始めて実験するの。

鈴ちゃんは弟みたいな感じで、とってもいい子なんだよ!

何をするのも一緒で、今日も遊ぶお友達を探すときに一緒に飼育棟に行ったの。

鈴ちゃんが歩くとしゃんしゃん音がして、とっても楽しい気分になるの。

でもその音を嫌がる子もいて、蛙と人の中間みたいな子に、

驚かされちゃった。だって、いきなり檻をがしゃがしゃ鳴らして怒るんだもん。

檻にかかってるプレートには「ドクロッグ」って書いてあって、

今はむすっとしてるけど、遊んだときにすっごく可愛い顔をしてくれそうだから、

今日の遊び相手はこの子にすることに決めたの!

鈴ちゃんもにっこり笑って賛成してくれたよ。

鈴ちゃんの「ねんりき」で動きを止められてびっくりしてるドクロッグちゃんに、

注射器をえいって刺して、眠くなるお薬をちゅーっと注入。

くたってなったドクロッグちゃんを他の子達が出てこないように

鈴ちゃんに手伝ってもらってケージに入れて、台車で実験室まで運んで行く。

鈴ちゃんもとっても楽しそうに笑ってたよ。
 

実験室に台車を入れて、研究室で録画のスイッチオン!

報告書って言うのが書けないから、いつも録画しておいてパパに書いてもらってるの。

戻ると、まだドクロッグちゃんはぐっすり寝てた。

起きるまでの間にケージから出して、台車とケージを外に出しておく。

邪魔になっちゃうものは全部どかしておかないとね。
 

鈴ちゃんとお歌を歌いながら待ってたらぐうぅって言いながら目を覚ました。

すぐに飛び掛ってきそうになるドクロッグちゃんと私たちの間に

見えない壁にびたーんってぶつかってこっちに来られない。

鈴ちゃんの「リフレクター」のおかげだね!

驚きと悔しさでこっちを睨みつけてくるドクロッグちゃんにベーってした後、

「ねんりき」で動きを止めてもらって、もしものときのために首に首輪を巻いて、

鎖で壁に固定しておくよ。さっきのぶつかった後の顔も可愛かったけど、

動けない歯がゆさに歯軋りして悔しがってる今の顔もとっても可愛い!

「ねんりき」を解くとすぐにこっちに来ようとするけど、

喉に首輪が食い込んでぐえぇってなってる。お馬鹿でかーわい。

絶対に届かない場所に椅子を持ってきて座って、鈴ちゃんに内緒話をする。

鈴ちゃんは嬉しそうに賛成してくれて、深呼吸をした後ぐっと力を込めた。
 

鈴ちゃんがむぅって顔をしてドクロッグちゃんを見つめると、

ドクロッグちゃんの全身がぼわーって青っぽい光に囲まれる。

戸惑っているドクロッグちゃんの片手の指先に青い光が集中して、

軽く握られていた手が少しずつ開かれる。

いっぱいに開かれた手の中で、真ん中の赤い指だけがゆっくりと、

手の甲に向かって反っていくの。苦しそうな顔がとってもキュート!

ごきって音がして変な方向に曲がったままになっちゃった。

があぁぁって叫びながら汗をだらだら流してる。

反対の手も同じにしたら次は他の指も。

お父さん指から赤ちゃん指まで順番にばきっごりっと曲げていく。

その度に目の端から涙を流して叫ぶドクロッグちゃん。

やれやれ、まだまだこれからなのに大丈夫かな?

手の指が全部ぶらぶらになって赤紫に変色したところで、足に移るよ。

今度はいっぺんに全部の指やっちゃおうかな。

ゆっくりゆっくり時間をかけて、三本の指を上向きにする。

足首はちゃんと「ねんりき」で固定してあるから大丈夫。

90度を越えたあたりでみちみちって音がして、

指の付け根ら辺から肉と血と骨が飛び出てきちゃった。

今まではまだ我慢してた()ドクロッグちゃんだけど、

今度のには白目向いて泡吹いて気絶しちゃった。

そのままだとつまらないから肉がはみ出てる所に「ナゾのみ」の絞り汁かけちゃった。

この「ナゾのみ」研究所の裏にいっぱい生えてて、

間違って食べちゃった一般人が喉の炎症で病院に運ばれたんだって。

それ位の辛いものの絞り汁かけられたドクロッグちゃんは、

すっごい大きな声で叫びながら目を覚ましてくれた。

可愛いけどうるさいから鈴ちゃんに頼んで「ねんりき」で

声帯毟り取っちゃった。もうひゅーひゅー言うだけでうるさくないよ。

じたばたするドクロッグちゃんの体を押さえておくのが大変そうな

鈴ちゃんも可愛いけど、やっぱり無理させちゃ駄目だよね。

鎖ががちゃがちゃ鳴ってるから取れないかだけ見ててもらって、

大急ぎで研究室から特製の機械を持ってくる。
 

厚めの鉄板で出来たそれは「大」みたいな形で、関節のところに切込みが入ってるの。

其処彼処にある金属製のベルトで固定できるんだよ。

暴れまわるドクロッグちゃんを鈴ちゃんに何とかこっちに固定し直してもらう。

肩で息して、目、鼻、口から色々垂らしてるドクロッグちゃん。

とっても可愛いけど、暴れるからその罰だよ。お仕置きスタート!

リモコンには色んな場所の名前が書いてあるボタンが30個と、髑髏マークのが1個。

鈴ちゃんと順番に、押していくことにした。
 

最初は私、さっきやった指も、折角だからもう一回。

手の指10本分を一度に押す。ヴうぅぅぅんとモーター音が響いて、

どす黒く腫れ上がった手の指を着実に手の甲へと近づけていく。

一度折られて神経が過敏になっちゃってる部分をもう一回曲げられる激痛に、

口と目をいっぱいに開いて耐えてる。かぁいいなぁもう!

べきぃ、ぶちっという音がして見てみたら指が皮と筋肉ちょびっとだけ残して、

取れかかっちゃってた。がたんって音がして止まる頃にはほとんど全部そんな状態。

3本だけ破れてないのがあったけど、棒でつついたらみちみちみちって破けちゃった。
 

今度は鈴ちゃんの番。私に対抗して足の指10本分全部押す。

一個ずつ押したから、片足の小指から反対側の足の親指までが、

ウェーブみたいに順番に動き出した。

さっきは足の甲に向かって曲げたけど、今度は足の裏に向かって。

破けちゃった足の指が「ナゾのみ」の絞り汁をサンドして逆側へ。

ぶちちちちちちっと辛うじて繋がってた足の指が全部もげちゃった。

口をぱくぱくさせて、反射的にもがこうとするけど、しっかり止めてあって、

指一本動かせないよ。あ、動かせたとしてももう無理なんだっけ。
 

今度は私の番ね。次はぁ…両手首!ぽちっと。

さっき手の甲側に畳まれた指が、手のひら側にぴったりとくっつけられた。

ごぎんっと骨が外れる音がして、少し遅れてぶつんっと指がもげる音がする。

それが済むと今度は手首が後ろ側に曲がっていく。

90度くらいまでは肩で息をして怯えた表情のドクロッグちゃんだったけど、

それを超えると痛みに顔を顰めて、呼吸も浅く、荒くなる。

ばぎいっとすごい音がして、手首から飛び出た骨から血が滴り落ちていく。

また泡を吹いて気絶しそうになるけど、強すぎる痛みのせいで、

意識が無くなっては起き無くなっては起きを繰り返してる。
 

さすがに、ドクロッグちゃんの顔から血の気が失せて白っぽくなってきちゃった。

リモコンを置いて立ち上がって大きく伸びをする。

ようやく終わりかとほっとした顔をするドクロッグちゃんを横目で見ながら、

研究室から必要なものを台車の上に載せて布をかけて持ってくる。

運ばれてきたものを小刻みに震えながらぼんやりと眺めるドクロッグちゃん。

多分、血が無くなりすぎて寒いし、頭はちゃんと働かないしってところかな。

さすがに布を取ると驚きと恐怖で目が見開かれたけど。

持ってきたのは、炭火が入った容器に突っ込まれた焼き鏝と輸血セット。

ミトンをはめて、容器ごとドクロッグちゃんの近くに運ぶと、

こっちを怯えた目で見つめてきたから、可愛い可愛いと頭をいいこいいこしてあげた。

大量の血が溢れ出す両手首に真っ赤に焼けた鏝を取り出して、

がちがちと歯を鳴らすドクロッグちゃんを見ながら触れる直前まで近づける。

ちりちりとちっちゃい音を立てながら皮膚の端っこが焦げて不思議な匂いがする。

鈴ちゃんは鼻を押さえてるけど、私は嫌いじゃないなとか思いながら、

力を込めて、傷口に思いっきり焼き鏝を押し付けた。

ぶじゅううぅぅぅと煙を上げながら焦げていく傷口からは血が流れなくなるけど、

ドクロッグちゃんは白目を剥いて舌を垂らして気絶しちゃった。

でも、反対側の手首も焼くとすぐに飛び起きたよ。

焼き終えた傷口は、出血は止まったけど、ケロイド状になってしゅぅぅって煙を上げてる。

さて、傷も塞いだことだし、輸血しようかと思うんだけど、

これからまた動かすからねぇ…動かない所で見つけやすい静脈はと…

あ、首があるじゃん。血液パックから延びた管の先の太めの針をぷすっと刺す。

浮き上がってた青っぽい奴に刺すんだけど、むにゅんと動いてなかなか刺さらない。

何度か刺しなおしたら上手く入ったけど、刺し間違えの穴から血がちょっと垂れてた。
 

ドクロッグちゃんを見ながら、鈴ちゃんとのおやつタ〜イム。

輸血が終わるまで、美味しいお菓子を鈴ちゃんと半分こして食べる。

ドクロッグちゃんは寝ちゃってるからその分は無いんだ。

ちゃんと起きてたらあげたのにねー。
 

点滴速度を一番速くしてたからすぐに終わって、さっそく再開。

私は耳栓して、「ひかりのかべ」をかけてもらう。

そして、鈴ちゃんの「さわぐ」で強制覚醒!

透明な壁がぶるぶる震えて、耳栓してても聞こえる大音量の金属音。

ドクロッグちゃんはすぐに起きて、耳を塞ごうとするけど無理。

ぴしぴし走る裂傷の痛みは他の痛みに比べれば全然平気みたい。

むしろ、耳鳴りの方が酷そうだよ。

額がぱっくり割れて、血が噴出したところでやめさせる。

轟音でぐわんぐわんする頭に鳴り響く残響。

再び気絶しかけるドクロッグちゃんの顔を生暖かい血が染めて覚醒させる。

瞼の上を流れ落ちる血で目が開けづらいみたいだから、

焼き鏝で傷を塞いであげたらぱっちり目を開いてくれた。
 

さてさてさっきの続きから。今度は鈴ちゃんの番。

私が手首だったから、鈴ちゃんは足首。

もげてる指も固定されたままだから、まだ繋がっている筋繊維ごと、足の甲へと曲げる。

まだ神経が繋がってるのかな?顔を顰めるドクロッグちゃん。

それが済むと、今度は足首。後ろ側にゆっくり折り曲げられる。

足がぴんと伸ばされた状態になると、足がつったのか、

眉を顰めるけど大したことなさそう。汗流れてないし。

それを超えるとみちみちと軋むような音がしてべぎぃっと肉が割れた。

引き伸ばされた皮膚が裂けて、筋肉を突き破る折れた骨と飛び散る鮮血が現れる。

何度見ても良いなぁ…この時の表情もすごく素敵。
 

今度は鈴ちゃんと相談して二人で同時に両肘と両膝のボタンを押す。

細い肘は後ろ側へ、膝は前側へ曲げられる。

靭帯が伸びきりぷつんと切れ、半月板は筋肉に押し潰され粉々に。

皮膚も頑張って伸びるけど、やっぱり無理があって、裂けちゃう。

少しはしなるけど、折れて筋肉の間を縫うようにして飛び出てくる骨。

血管も神経もぶちぶち切れて、ぶしゅうと噴出す鮮血。

舌を突き出して口と目の端が切れて血が出るほど広げて涙を流す顔。

その充血した白目も、絞り出る空気に鳴る喉も全部可愛い。

ごりごりと割れたお皿が擦れあう音がしながら、がたんと止まった。
 

早くも蒼白に戻りかけるドクロッグちゃんの顔色。

お菓子も終わっちゃったからまた待ってるのもつまらないし、

鈴ちゃんの「ねんりき」で手っ取り早く血液注入!

傷口から血液が入り込むからすぐにそこを焼き鏝で止血。

じゅっじゅっと焼き鏝を押し当てて、剥がすときは皮膚が付いてこないよう慎重に。

二人で一緒にやったらすぐに済んだけど、心臓止まっちゃった。

すぐに「ねんりき」で直接心臓マッサージ。すぐだったから生き返ったよ。

良かったぁ、このまま死なれちゃつまんないもんね。

でも、生き返っちゃったことにがっかりしたみたいで、

舌を噛んで自殺をしようとするんだよ。まったくもぅ。

鈴ちゃんに止めてもらって、猿轡噛ませちゃった。
 

鈴ちゃんと一緒に肩と太ももの付け根のボタンを押すと、

足は開脚。腕は後ろに曲げられていく。

猿轡の隙間からお昼の中身が零れてくるから、

あまりの痛さに気持ち悪くなっちゃったのかな?

腕は後ろ手に組んだような形になって、

足は開脚の限界を超えてもまだ止まらない。

足が顔の横に来る頃にはまた気絶しちゃってた。

肩の所からは裂けた筋肉が血に染まり、足は半分もげたようになっちゃった。

腕も足も、腱が切れちゃったからもう動かせない。
 

気絶してるドクロッグちゃんの胸の赤い部分を触ったら結構ぷにぷにしてた。

「ひかりのかべ」と「リフレクター」の二重の壁の中に二人で入って、

「ねんりき」で浮かんだ輸血用の針がぷちゅんと刺さった。

ぱぁんと破裂した赤い袋の中には毒がいっぱい詰まってたみたいで、

紫色の液体がいっぱい降ってきたけど、鈴ちゃんのおかげで何とも無かったよ。

目を覚ましたドクロッグちゃんは意識が朦朧としてて、

またすぐ気絶しちゃいそうだった。その表情もまた可愛いんだけどね。
 

気絶しないうちにと、鈴ちゃんと一緒に最後の髑髏のボタンを押す。

頭が固定されている部分が後ろに傾く。

首に食い込む金属ベルトに引っ張られながら、天井を仰ぐ。

さらに倒れて、後ろが見えるようになったところで、

ドクロッグちゃんは死んじゃった。

首のところから骨が飛び出して、気管も血管も切れちゃってるもん。

もう心臓マッサージしても無理だね。
 

ドクロッグちゃんを置いて、鈴ちゃんと一緒に研究室に戻る。

二人とも笑いすぎてお腹痛いし、ドクロッグちゃんの血でべたべただけど、

とっても楽しかったから満足。鈴ちゃんも同じみたい。
 

今回のドクロッグちゃんも可愛い顔をいっぱい見せてくれたけど、

やっぱり、鈴ちゃんの笑った顔が一番可愛い。

これからも一緒にいろんなお友達の可愛い顔を見ようね。