悔しさに歯を食いしばり、必死で声を殺して暴れまわっていたニャースだが、

徐々にその動きも緩慢になり、表情からも険しさがとれてきた。

自分の意思に反して動かない体に焦っているのだろうか、

ぼんやりした表情からは何も読み取れはしなかった。(筋肉弱体化)

徐々に弱弱しくも咳をしだす。腹部を見ると呼吸が不規則になってきているのだ。

喘息のような呼吸音をさせながら本人は必死で呼吸を繰り返している…と思う。

すでに汚物の中で動きを止め、薄く開けた目からは生気が失われかけている。(呼吸器筋肉構成を含む全身麻痺)

浅く、途切れ途切れになった呼吸が一際大きく吸い込まれ吐き出されると

再開されることはなかった。(窒息)

ニャースは必死に暴れ、苦しみぬいて逝ったのだろうが、

表情はあまりなく、汚物の中でぐったりとしている死体自体からは

暴れ苦しんだ様子はほとんど伝わってこなかった。

もちろん、周りの惨状や体のいたるところに付着した汚物からはひしひしと伝わってくるがね。

モニターを見ながら無意識のうちに磨いていた小判は光り、

本体との対照的な眺めに満足しつつ、報告書を書き始めることにした。