腹の中身が空になったらしく吐く素振りは見せるものの、
実際に出るのは胃液と痰の絡んだ唾だけで、
便も、顔を真っ赤にして力を入れるも、腸液がかろうじて出るのみだ。
しかし、大きく肩で息をしているものの少し安心したような表情を見せている。
徐々に和らいできたのだろう。
ようやく収まりかけ、脂汗も退いてきて落ち着いた頃に第二波が始まった。
ボツリヌス菌毒素が効き始めたのだ。
先ほどの嘔吐と下痢で排出されてしまったかと思ったが、
きちんと体内に吸収されていたようだ。
しきりに目をこすり瞬きを繰り返す。
徐々に霞んでくる視界に最初は周りに異変が起こっているのかと思っていたようだが、
ほとんど見えなった頃になって、ようやく眼に異変が起きたのだと判ったようだ。
戸惑い、ふらふらしつつ、ぺたんと座り込んでしまった。(視力障害)
さらに頭をくらくらと揺らしだす。
前足で頭を押さえるものの平衡感覚がつかめなくなってきたのか、
ほぼ見えなくなってしまった目もぎゅっと閉じ、伏せてしまった(めまい)
再び襲ってきた腹痛に汚れるのもかまわず汚物の上を転げまわり始める。
先ほどよりは弱まったものの衰弱しているところに起こったのだから
ニャースにしてみれば大変なものだろう。(胃痛)
もう出すものの無くなった腸からはわずかに腸液が漏れ出す程度で、
せめて排泄出来れば少しは気も紛らわされるのだろうが。
ごろごろと腸が収縮する苦しみだけがニャースを襲う。(下痢)