これで全てが片付いた。いや、最後に大仕事が残っていた。死体の処理だ。

処理班に任せればいい話だが、ただそれだけでは面白みが無いな…よし、これでいこう。

風鈴に最後の仕掛けを施してもらい、こちらの部屋に戻らせる。労いの言葉もそこそこに、モニターの前で成り行きを見守る。

モニターの片隅に移る拡大画像には黒い画面上、電子音を響かせながら赤い数字がめまぐるしく変わる装置が映し出されている。

最後の仕上げにするのは爆散だ。彼らには私なりの弔いの方法と受け取ってもらおう。

文字盤の数字が左から順に0になっていく。一番右端の数字が0に変わった瞬間、画面が白い光に包まれた。

即座にカメラの偏光装置が作動したが、それでも眼が眩んだほどの爆発であった。

強化ガラスも吹き飛ばせるほどの爆発をさせようと思ったらこれほどの規模になってしまうのは仕方が無いがね。

後に残ったのはケースの破片や給水装置などの部品が壊れたもの。

肉片や血飛沫は蒸発してしまったようだ。無理だとは分かっていたが、壁に張り付く肉片を見たかったものだ。

膨大な量にのぼった報告書をざっと纏め上げた頃には普段の帰宅時刻を大幅に過ぎていた。

慌てて帰る道すがら、改めて風鈴に労いの言葉、礼や称賛などを伝え、最後にこれからもよろしくと言うと、

目に私と同じ暗い光をともしながら暖かい微笑を返してくれた。

これからも頑張れそうだ。…目下の課題は夕飯の支度と娘の文句だが。