今日はイーブイたちの檻に足を踏み入れてみた。

入った途端に足元に擦り寄ってくるイーブイ。

水の中から恐る恐る様子を伺うシャワーズ。

高い所から余裕そうに見下してくるサンダース。

マイペースに眠ろうとするブースター。

ちらと見ただけで何事も無い様に振舞うエーフィ。

闇の中から冷静に観察し、こちらを見つめるブラッキー。

飛び回りながら興味津々で見つめてくるリーフィア。

目があうと会釈をする人間のようなグレイシア。

…面白そうだ。全種連れて行こう。風鈴も目を輝かせている。

最初に目が合った奴らを一種一匹ずつケージに放り込もうとするが、

大人しい奴らは別として、敵意のある奴や元気がありすぎる奴は捕まえるのに苦労した。

風鈴の協力によりどうにかなったが、思わず数匹仕留めるところだった。

実験室に連れてきて放してみると、今まで群れで快適な場所で生きていたこともあり、

実験室という無機質で冷たく硬い印象を受ける部屋に

各種一匹ずつという状況に戸惑いはしていたものの徐々にその暮らしぶりを発揮しだした。

イーブイは何かあるごとに周りの者たちに助けを求める末っ子タイプ。

シャワーズは部屋の隅で蹲り変わった環境に怯えつつ周りに左右される長男()タイプ。

サンダースは体を膨らませ自分がボスだとばかりに周りに睨みを効かせる父親タイプ。

ブースターはうとうとたかと思うとすぐに昼寝をしだすマイペースな四男()タイプ。

エーフィは固い床が気に入らないのか文句ばかり言う三男()タイプ。

ブラッキーは思案顔でカメラを見上げ冷静に状況を分析する次男()タイプ。

リーフィアは飛び回り自由奔放を体現する五男()タイプ。

グレイシアは個性豊かな者達の世話を嫌な顔一つせず一手に引き受ける母親タイプ。

サンダースとエーフィが頂点を競い合い、ブラッキーは頂上を極められるにも関わらず、

下らないと知っているためそんなことは眼中に無い。

ブースターとリーフィアは睡眠と遊び、対象は違えどそれさえ出来れば幸せで、

周りの反応など気にも留めず、小競り合いにも巻き込まれないほど。

イーブイは周りに頼りっきりで特技のぶりっ子で自分の幸せだけを追求し、

シャワーズは個性的な周りに振り回され、いじめられ、自虐的な行動をするのみ。

グレイシアのみが甲斐甲斐しく世話をし、エーフィの我侭やイーブイのおねだりなどの

無理難題に応対する、メイドというより奴隷のような生活を嬉々として受け入れている。

そんな関係があのイーブイズの飼育部屋で繰り広げられていたようだ。