ふと見ると笑顔を浮かべている。眠れるのがそんなに嬉しいのか…結局最後まで驚かされた奴だった。

こんなにも個性的(おかしいと同意義)な奴は初めてだ。研究対象としては大変興味深い奴だったが…

さて、折角だから…風鈴に指示を出し、毒に侵されて使い物にならなくなった廃フィルターを圧縮させる。

ただのフィルターといっても大きな機材のものなので、相応の大きさも重さもあり、

各所に金属も使われている金網もどきのため、強度もある。そんなものが何枚も使われる。

これも一応リサイクルということになるのだろうか。

こんなことをしている時点で環境に優しいとは、お世辞にも言えないな。

まぁ、そんなことはどうでも良い。どうでも良い考えごとに耽っている間に圧縮も終わったようだ。

見た目に反した重さを持つ直径20cm程の石塊のようなものが出来上がった。

それをすやすやと眠るブースターの頭上、天井すれすれに位置させる。

ふっと技の支えを失った石塊が重力に引かれて落下していった。

ごっと鈍い音を立ててブースターの首ががくんと落ちる。

かっと見開かれた目からは血の涙が溢れ、鼻と口からはつぅと血が流れ出す。

石塊が引き上げられるとその下敷きになっていた頭部は軽く窪み、

体毛の隙間に見える亀裂からは血が溢れ出していた。まだ辛うじて息はあるようだ。

引き上げられた石塊が再度落とされる。今度は腹部だ。

ぐじゃりと妙な形に体が仰け反り、ごぼりと血の塊が喉の奥から吐き出される。

圧迫されたことにより、水分の抜け切れていない血液混じりの半消化物が肛門から飛び出した。

その上、失禁もしたらしく、排泄物の上に尿が広がっていく。

石塊が再度頭部に落とされると亀裂が広がり中から脳が飛び散り、

眼球が飛び出、口からは血と唾液、胃液が混じった泡が吹かれていた。

完全に絶命した後も石塊は執拗に何度も何度も落とされ続けた。

風鈴に止めるよう言うと、血や肉片がべっとりと付着した石塊は小部屋から引き上げられた。

そこにはミンチ状になった元ブースターが横たわっていた。

どんな状態であれ、「永眠」できたのだからブースターとしては幸せなのではなかろうか。

そういう意味ではブースターにとって私は神なのかもしれないな。