止まらない嘔吐と排泄、涙に咽びながら、くらくらする頭を抱える。

無い出口を探そうとするものの壁に頭をぶつけてしまう。

暗い視界と平衡感覚の無くなったシャワーズには身動きは危険なものとなった。

どうしようもなくなったのか、体を丸めて目を閉じてしまった。(めまい)

丸めていた体が徐々に開き始めた。シャワーズの顔を見ると、

戸惑っていることから自分の意識ではないことが分かる。

くぅっと引き伸ばされた体からは攣ったような痛みがシャワーズの脳に届けられる。

張った筋肉の痛みはなかなかとれず、激痛に身を捩じらせていた。(筋痙攣)

動こうとするシャワーズの意思に反して、そのまま筋肉は強張ってしまった。

まだこの痛みが続くことに呆然としつつも涙を流して声にならない悲鳴を上げる。

ばきばきと音がしそうな突っ張った四肢を脳に響く痛みに耐えながらほぐす。

滝のような涙は水の中でなければ干上がるほどの量に達していた。(筋痙直)

ほぐす作業を続けていた前足を止め、咳き込みながら喉に前足を当てる。

数回に分けて息を吸い込み、無理やり吐き出すようにして呼吸をする。

明らかに苦しそうな表情を浮かべるシャワーズの中では生きようとする意志と、

死を目前に控えた諦めや悟りというものが戦っていた。(息苦しさ)

呼吸がしづらくなり、十分な酸素が取り込めなくなった体からは意識が離れかけていた。

こぽこぽと小さな泡を吐き出していたかと思うとそのまま意識を手放した。

死んではいないが、生き返れるような状況ではないことが明白だった。

風鈴とカメラ越しに目を合わせると、次の準備に取り掛かってもらう。(意識喪失)

意識を失った後も眉を顰めながらびくっびくっと痙攣しながらごぽっがぼっと、

泡を吐き出していたが、最後に大きな泡をごぼりと吐き出し動かなくなった。

なみなみと水の湛えられた小部屋には汚物と共にシャワーズの体が浮かんできた。

水中の生活に特化したはずのシャワーズの溺死体。

そのシュールな姿からは臆病さは微塵も感じさせず、堂々としていた。

すぅと沈んだ体は浮遊している汚物によって見えなくなった。

今日も良い夢を見られそうだ。